12/2シンポジウム開催報告
2016.12.27
琉球大学観光産業科学部 産学連携サービス経営人材育成事業シンポジウム
「サービス産業を盛り上げる!」を開催
平成28年12月2日、ホテルJALシティ那覇 ファミーユにおいて、琉球大学観光産業科学部産学連携サービス経営人材育成事業シンポジウムを開催しました。
本シンポジウムは、琉球大学観光産業科学部において実施している、産学連携サービス経営人材育成事業「沖縄21世紀ビジョンを担うグローカルサービス経営人材の育成」プロジェクトの一環として行いました。
始めに、下地芳郎琉球大学観光産業科学部長より開会の挨拶と事業概要の説明があり、その後、経済産業省商務情報政策局サービス政策課長補佐 塩野谷和寛氏による基調講演が行われました。
基調講演で、塩野谷氏は、「2020年にGDP600兆円を達成するために、GDPの75%を占めるサービス産業の生産性を向上させるため、サービス生産性の底上げ、新たなサービスフロンティア市場の創設、国際展開を3本柱に、基盤整備を進めていく。そのためにIoT、FinTech、AI、ビッグデータの活用支援等を行う。新たなサービスフロンティア市場として、DMOを駆使した観光収益の増加や、スポーツ産業では、アリーナ・スタジアムを核に周辺整備をし、地域の振興につなげる。国際展開として、ハンズオン支援、座談会の開催などを行う。その基盤整備として、おもてなし認証制度の導入や、国・自治体・教育機関・事業者・地域金融機関などが連携してサービス地域拠点を設置、次代を担う経営者の不足を補うサービス経営人材の育成を、諸外国並みの高等教育ができるように支援していく。」と述べられました。
続いて、一般社団法人沖縄県ホテル協会長 當山智士氏、副会長坂本公敏氏から、事例報告が行われました。お二方からは、「地域活性化のためには、縮小する国内市場への取組みが課題だが、内外観光交流客を引き込むというビジネスモデルは明確な解決策であり、県内の観光客840万人が平均3.7泊するという市場を大きなチャンスとして捉えていく必要がある。また、観光における機会損失に目を向ける必要もある。機会損失の一例として、県内の土産物の7割は本土で作られているということがあげられるが、その損失は大きい。経営者的な視点で協会として取り組んでいく。ホテル業界としては、平準化もキーワードであり、GW、お盆、年末年始などに予約が集中すると、人材不足から高い料金を払って、悪いサービスを受けるということが起こるため、off対策よりon対策が必要になる。平準化されると、サービスも料金も整ってくる。休みの分散化を国にお願いしたい。週の中での平準化、地域の平準化も必要で、偏っていると、渋滞ロス、時間ロスなど多くの経済的ロスにつながる。人材については、大学でより実践的な教育をし、商品を作り稼ぐモデルを考えることをやってほしい。ホテル業界としては、コーネル、ローザンヌのようなホテル経営学が学べる大学、観光のMBAが取れるような大学を沖縄に作り、幹部候補を育成できるようになってほしい。そうすることでホテル業界の地位向上にもつながる。近年は外国人スタッフの採用も多く、諸外国の価値観を共有できるメリットからダイバーシティも進んでいる。」という現状について述べられました。
次に、11月におこなった集中講義「グローカルサービス経営入門」で、沖縄県内のサービス産業を「現場から学ぶ」ために実施した企業訪問、施設見学について学生が発表を行いました。協力いただいた、株式会社かりゆしLCH、沖縄ツーリスト株式会社、沖縄ヤマト運輸株式会社、日本トランスオーシャン航空株式会社について、各チームより課題、提案がありました。そして、集中講義の担当をした上地恵龍琉球大学観光産業科学部客員教授より、学生発表の総括、協力企業からのコメント、参加者からの質疑応答と続きました。本シンポジウムは、100名を超す参加者があり、大盛況のうちに終了しました。
下地学部長による挨拶・事業概要説明 塩野谷氏による基調講演
當山氏・坂本氏による事例報告 学生発表(かりゆしLCHチーム)
学生発表(沖縄ツーリストチーム) 学生発表(沖縄ヤマト運輸チーム)
学生発表(日本トランスオーシャン航空チーム) 上地先生による総括
会場の様子 シンポジウム後の記念撮影