【講義】6/19 第11回飲食ビジネス概論
2017.07.03
第11回 飲食ビジネス概論 担当:上地恵龍
外部講師:瑞泉酒造株式会社 代表取締役社長 佐久本学氏
第11回は、瑞泉酒造株式会社 代表取締役社長 佐久本学氏より泡盛についてお話いただきました。
泡盛とは、黒麹菌で作った米麹を水にまぜ、発酵、単式蒸留機で蒸留した県産のお酒で、その条件は、以下の4つがあるそうです。
①お米
主にインディカ米を使用。日本の米より硬質で菌がつくりやすい。日本の米では水分が多くおいしい泡盛が作れない
②黒麹菌
酸をよくつくり、雑菌にも強い。清酒、みそ、しょうゆの黄こうじ菌で作ろうとすると、沖縄の気候に合わず腐ってしまう。
③全麹一次仕込み
水以外に麹だけをつかった仕込みのことを全麹仕込みといい、全麹仕込みをすることで、気温が高い沖縄でも雑菌による汚染の危険性が低くなる
④単式蒸留
蒸留を1回だけおこなうこと。単式蒸留は、泡盛以外にも、本格焼酎、モルトウィスキー、
コニャックタイプのブランデーなど伝統的な蒸留酒はほとんどが単式蒸留でつくられている。
泡盛の製造工程は、蒸米→製麹→仕込み→蒸留→貯蔵・熟成という過程になっており、仕込みのあとに焼酎は主原料となる麦、芋などを加えて二次仕込みを行うことから、本格焼酎の源流という定説になっているということでした。
その後泡盛の歴史、泡盛の名前の由来、古酒のおいしい作り方などを教わりました。
続いて、瑞泉酒造の紹介があり、古酒に力をいれているのが特徴で、その7割は古酒なのだそうです。また、近年は、コラボ商品も開発しており、ユニクロ、南風原町、ブライダル、アーティスト(BEGIN)などとコラボレートしたり、本学のゼミと協働で意見交換会などの開催をしているそうです。
また、先日テレビ放映もされましたが、泡盛は戦争の影響で、黒麹が絶滅の危機に瀕し、どんなに古い古酒でも戦後のものしかないという中で、戦前の黒麹が東京大学の研究室に保管されており、東大とのコラボで戦前の味を復活させた「御酒(うさき)」が大ヒットとなったそうです。
若者の泡盛離れが進んでいる今、リキュールとしての販促も積極的に取り入れ、紅茶、黒糖梅酒、かーぶちー、シークワーサーのリキュールを販売し、21日には、新しい泡盛ベースのスパークリング「レガーレ」を販売するということでした。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子