【講義】7/11 第13回飲食ビジネス概論
2016.07.12
第13回 飲食ビジネス概論 担当:上地恵龍
外部講師:株式会社えん沖縄 代表取締役社長 又吉真由美氏
今回は、株式会社えん沖縄 又吉真由美社長にをお招きし、日本・沖縄の食ブランドの海外発信についてお話いただきました。
まずは、自己紹介をしつつ、なぜ起業をしたのかということについて、ご自身の人生そのものを振り返りつつ、熱く語ってくださいました。ご主人と2人で「アメリカで飲食店をやろう」という夢が、出発点だったそうで、そこから、シンガポールに出店するまでの、いくつもの壁を乗り越えられたお話、店舗を拡張していったお話、沖縄の食材の貿易業を始めたお話などをしていただきましたが、又吉社長も、ビジネスで成功する人が使わない「あいうえお」(あ:あきらめ い:言い訳 う:後ろ向き え:遠慮 お:思い込み)を使わないハングリー精神の塊のような方でした。
シンガポールで開業した当時(2000年)は、沖縄食材が現地で手に入らず、直接沖縄に買付けにきても、ちゅらさんの大ヒットで県外で沖縄ブームになっており海外との取引は見向きもされず、アポさえとれず、門前払いの連続だったこと、
県庁にいた知り合いをたずね、事情を話したら、新聞社の知り合いを紹介してくれ、翌日の新聞に載ったら、アポがとれるようになっただけでなく、応援もしてくれ、食材を仕入れられるようになり、シンガポールで沖縄フェアが開催できたこと、
そのフェアが好評で、取材が相次ぎ、いつつぶれるかという状態から、大繁盛のお店になったこと、
文章にしてしまうと、その迫力がお伝えしきれないかもしれませんが、そこには、数々の苦難を乗り越えたドラマがありました。
現在、シンガポールだけでなく、香港、マカオ、インドネシア、沖縄に店舗を展開し、おもてなしの心を「食」と共に発信するということだけでなく、沖縄食材のブランディングにも力を入れられ、アジアの各国へ沖縄食材を卸す貿易業もされているということでした。
アジア各国でのビジネス展開で、国により文化が違うが、それぞれにいいところがあり、
そのいいところを集めると、チャンプルーのようにいい味になるのだそうです。沖縄のチャンプルー文化で育ったことがよかった、とおっしゃっていました。
また、海外でビジネスをするということは、語学や専門知識だけではダメで、そこに「おもてなしの心」がないと成り立たないのだそうです。
現在に至るまでに、SARS、リーマンショック、震災後の風評被害などもあり、壁が立ちはだかるたびに、超えろと言われていると思うそうで、その壁を乗り越えて、継続し続けることが大切というお話でした。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子