【講義】10/11 第2回物流サービス概論
2016.10.14
第2回 物流サービス概論 担当:知念肇
今回はロジスティクスの歴史というテーマでした。
物流とロジスティクスの定義の違いと、倉庫・配送センター配置の違いについて
解説がありました。
物流の場合は、
「工場が作ったものを倉庫に保管し、受注後、配送センターに送り、店舗に配送される」
という仕組みで、
ロジスティクスは、
「工場が受注を受けて生産し、倉庫に保管することなく、配送センターに送り、店舗に
送る」という仕組みになっており、ロジスティクスは、作りすぎと欠品の防止になるということでした。
ロジスティクスの発展の歴史は、以下のようになっているそうです。
1800年頃、蒸気機関車が導入されたことにより、大量輸送が可能になる。
1940年頃、自動車やトラックなどの新しい輸送手段が生まれ、戦争時、武器調達の
ネットワークを構築した陣営が勝利したこともあり、ロジスティクスの重要性が全世
界で認識された。
1956年 コンテナを船で運ぶというアイデアにより、時間・コストの大幅短縮につな
がった。
1970年~80年頃 トヨタによるカンバン方式の提案で、必要な量を必要な時に調達す
るようになり、部品レベルにまで無在庫経営を拡大した。
1990年頃 コンピュータ技術の応用で、顧客の購買変化への迅速な対応や、購買デー
タ分析が可能になり、効率的な顧客対応が可能になった。
現在 サプライチェーンマネジメントにより、材料の調達から、エンドユーザーに届
けるまでの全過程を管理することで、全体最適を実現。グローバル化の概念が行き届
き、規制を最小限にし、国際取引を活発にする動きが広がっている。
近年ではインターネットでのショッピングが増えており、配送サービスもスピード化しているということでした。そのスピード化に貢献している、ヤマト運輸の仕分けや、
アスクルの画像解析を利用した自動ピッキングなどをビデオで見ました。
また、スピードを追い求めないやり方として、フェアトレードという仕組みの紹介もありました。スピードを求めることが、社会的・経済的に弱い立場にいる労働者や原料生産者に、過酷な労働を強いることにもつながっているという側面もあり、そのような労働者・生産者の生活改善と自立をめざし、公平な貿易をする運動も広がっているということでした。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子