【講義】11/2 第5回・6回MICEビジネス概論
2016.11.07
第5回・6回 MICEビジネス概論 担当:下地芳郎
外部講師:株式会社DMC沖縄 代表取締役社長 徳田博之氏
今回は株式会社DMC沖縄 代表取締役社長 徳田博之氏をお招きし、民間企業であるDMCがどうMICEに携わっているかという取組についてお話いただきました。
第5回はコーポレートMICEについて、MICEの本質、コーポレートMICEの特徴、開催地沖縄の優位性などを取り上げました。
まずはMICEの歴史として、元々MICEという単語はマーケティングで使用していた造語であること、10年くらい前までは、行政は支援しやすかったConventionを、民間がM/I/Eをというのが主流であったというお話がありました。周囲の外国がM/I/Eに取組、成功してきたことから、民間が扱うM/I/Eも地域にとって有益なら誘致をするという方向性になってきたそうです。
民間企業にとってのMICEとは、効率的で効果的な経営手段(事業手段)であり、手段としてある程度フォーマットがあるものをカスタマイズすると、比較的分かりやすく結果が得られるのだそうです。さらに、年間でスケジュールが組まれ、予算化されており、明確な目的があり、規模の予測ができ、毎年開催されるという特徴があるということでした。
沖縄を取り巻く市場環境としては、現場の実感として、2000年のサミット以降躍進していること、沖縄開催にすると20%コンベンション参加者が増えること、遊びの場からビジネス利用の場へと変容していること、3年前から海外案件が急増していること、特に、グローバル企業のアジア太平洋地区本部が集中している香港・シンガポールからの問い合わせが多いこと、近年、タイと競合するケースが増えてきていることなどの説明がありました。
MICEの経済効果は、個人と主催者の2つのお財布があり、現在、主催者費用の6割は主催者の足元(主催者の地元)に落ちており、その例として、広報活動、ロゴマーク、配布資料、印刷物などの準備にかかる費用については、開催地の企業に発注がかかっていないので、そこを開催地で受け持つようになる必要があるということでした。
続いて、第6回は、DMC沖縄が何をしているかというお話でした。
DMCは、Destination Management事業として、個別MICEの開催効果を最大にする仕事と、Destination Marketing事業として、MICE開催地の価値を高め訴求する仕事をしているそうです。
日本では、行政主体でMICEが開催されていたため、PCOを通じて旅行会社が世話をすることが多く、欧米では盛んなDMCという業態が取り入れられていなかったそうですが、より専門性が求められるようになり国内初のMICE専門型DMCの会社を立ち上げたそうです。
Destination Marketing事業として、与那原町におけるMICEを核とした地域産業基盤構築事業、人材育成のための講座、商品開発、ユニークベニュー開発、産業育成のためのセミナー・ワークショップなどを扱っており、その実例の紹介がありました。
Destinetion Managementとして、数多くあるMICEの開催実績の中から、いくつかを実例と共に説明していただきました。
<グループワークの様子>
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子