【講義】11/15 第7回物流サービス概論
2016.11.16
第7回 物流サービス概論 担当:知念 肇
今回の講義は、「ハブ空港の原理」をテーマに、航空機による物流を扱っていきます。
まずはビデオで、那覇空港の沖縄貨物ハブの実態を紹介しました。那覇から4時間圏内には20億人のマーケットがあり、沖縄貨物ハブの誕生により、東北でとれたフルーツや海産物が、翌日夜には香港の飲食店で提供できるようになった、ということでした。
また、国際物流特区内に沖縄ヤマト運輸のサザンゲートができたことで、化粧品の充填作業等が保税状態のままでき、スピード配送も可能になったそうです。
航空機での貨物輸送は、先日交通サービス概論でも学びましたが、シカゴ・バミューダ体制という二国間協定が必要で、カボタージュを留保しています。ところが、協定の交渉中に動きの早い市場が変化してしまうということもあり、オープンスカイ協定が登場したそうです。オープンスカイ協定では、たとえばEUでは、域内を完全自由化し、EU国籍の航空会社は、EU圏内に路線を自由に開設できるようになったり、欧米間でも新たに協定が結ばれ、世界の空の自由度が高まっているということでした。
日本では、オープンスカイ協定に慎重な面もあり、各国との協定はあるものの、首都圏の空港ではなく、地方空港において以遠権の自由化を認めたというケースが多く、外国の航空会社にとっては魅力に乏しいという現状だそうです。
オープンスカイ協定により、ドアツードアの配送を世界規模で展開する欧米のインテグレーターが、アジア市場に参入してきており、日本の対応が問われているということでした。
その中で、ANAによる沖縄貨物ハブは、日本で初めてのビジネスモデルで、ハブ&スポーク方式により、アジアの主要な市場を面でカバーし、高速ネットワークで結びつけており、高い評価を受けているのだそうです。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子