【講義】11/29 第9回物流サービス概論
2016.12.06
第9回 物流サービス概論 担当:知念 肇
講義はまず、日本市場がアジア戦略を考える上で、非常に重要であるということの確認をフランスの冷凍食品業者ピエールの東京出店を事例に行った。日本で売れる商品=高品質というイメージを作り上げるので、最終的に中国市場を狙っている欧米企業であっても、日本でブランド力を試すことが重要である。
その後、本題の「データで見る那覇空港ハブの成長」に入った。データは、2015年1月~12月沖縄地区税関速報値を使用した。輸出については、精密機器及び電気機の全てが韓国向けであった。次に、食品の最大の輸出国は香港であった。とりわけ、肉類は沖縄より輸出される肉類の100%が香港向けであった。野菜果物に関しても最大の輸出国は香港であったが、農産物の輸出に関する問題はむしろ我が国の供給体制にあると考えられる。農業の成立しない都市地域である香港に対し、オールジャパンで供給計画を作成すべしと考える。(農業については、オランダのIT農業とイオン農園といった農業法人をビデオで紹介)化粧品、ビールの最大輸出地は、台湾、香港であったが、これらの商品は沖縄を訪れる観光客数に比例している。
一方、輸入に関しては、電気機器及び精密機器の我が国への供給は、中国、韓国、台湾の東アジア地域が担っている。ただし、航空貨物比率が低く、ほとんどが船舶に頼っている。衣類及び同附属品に関しては、平均約55%の航空貨物比率であり、アジアからの輸入割合は80%、月平均輸入額1億円に安定している。
これまで統計的なメスが那覇空港ハブには入っていなかったのが現実であり、今後はこれらの統計データをどう生かすかが課題となる。
文責:観光産業科学部 教授 知念肇