【講義】12/16 第11回交通サービス概論
2016.12.21
第11回 交通サービス概論 担当:平野典男
外部講師:一般社団法人沖縄県ハイヤー・タクシー協会 事務局長 津波古修氏
今回は、一般社団法人沖縄県ハイヤー・タクシー協会 事務局長 津波古修氏による
「沖縄県におけるタクシー業界全体の課題と今後の取組について」の講義でした。
全国のタクシー業界の現状として、人口等に応じて台数が決められていたタクシー業界に、平成14年の規制緩和があり、供給過剰になったことで、乗客の奪い合い、サービスの低下、労働条件の悪化などの問題がおこってしまった。問題解決のために、特定地域、準特定地域に指定された地域では、供給過剰を是正するため制限されることになったそうす。沖縄県では、規制緩和で300台増え、現在170台程度の供給過剰になっているということでした。
タクシーの運賃は、全国を98のブロックに分け、それぞれ認可を受けた運賃での営業
を行っているそうです。沖縄県は11月に値上がりしましたが、今のところ、乗り控えな
どは発生していないということです。
タクシー業界にもエコの流れはあり、近年、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、
電気自動車、FCVなどの導入も進められているそうです。2020年までに30%の車両を、
2030年までに40%の車両を、これらの環境に配慮した車両に変えていくということでした。
タクシーは流し以外にも、過疎地の乗合タクシーや、観光タクシー、妊婦応援タクシー、育児支援タクシー、介護タクシーなど、お客様のニーズに応じたサービスも展開しており、スマホアプリでの配車サービスも登場しているそうです。
続いて、沖縄県のタクシー業界について、歴史、事業者数、協会の仕事、会員数、輸送人員数、営業収入などについてお話がありました。沖縄県は、1人当たり年間利用回数が、全国で1番多く、32.3回(全国平均12.6回)で東京の27.8回を上回っているそうです。とはいえ、輸送人員数、営業収入は右肩下がりとなっており、タクシー運転手の賃金にも課題があるということでした。
その他の課題として、ドライバーの高齢化、人材不足、不安定な燃料価格、レンタカーの増加(レンタカーには規制がない)、運転代行の増加、運転代行の白タク行為の増加などがあるそうです。
今後の取組として、公共交通機関としての使命と自覚をもち、接客、サービスの向上をはかり、運送業から接客業への転換をはかり、ドライバーに対し、服装、言葉遣い、態度など研修を引き続き行っていくということでした。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子