【講義】6/6 第9回飲食ビジネス概論
2016.06.07
第9回 飲食ビジネス概論 担当:上地恵龍
今回は、回転率と売上の関係の復習から始まりました。回転率は在店時間により大幅に変わるという例で、単価の安い駅にある立ち食いそば屋と定食屋の比較でした。
立ち食いそば屋は、在店時間10分なので、1時間に6回転。単価は400円程度。1回15人入れる店なら1時間で90人。計算すると1ヶ月の売上は1750万にもなり、原価率45%なので、利益は月に790万円。(だから、あまりつぶれないのですね・・・。)定食屋は、1時間に0.75回転。単価は平均900円。同様の計算をすると売上1870万円で、原価率45%で、利益は月に1000万円強。定食屋の場合は、チェーン展開しているので、店舗数の分利益も大きいということでした。
単価は倍以上差がありますが、1店舗の利益の差は200万円程度。立ち食いそば屋がどれだけ回転が速いかが分かります。定食屋でも食券を導入することで、在店時間を短くし、(従業員がお金を触らないので衛生的、おつりのミスがないなどのメリットもありますが)回転率をあげるところも、でてきているそうです。
本日のテーマは、「フードイベントの現状」「デフレ時代における飲食ビジネス事例研究その②」で、まずはフードイベントから説明がありました。近年、肉食ブームで、各地で肉フェスが開催されているようで、10日間で42万人のイベントや、10日間で72万人のイベントなど
その集客もかなりの量で、那覇でも4月に2日間開催されたそうです。
肉フェスでは、チケット制を導入し、売上の管理をしやすくしていたり、経済波及効果などもあるようですが、衛生管理にはまだ課題もあるとのことでした。
「デフレ時代における飲食ビジネス事例研究その②」として、株式会社ペッパーフードサービスの「いきなりステーキ」を取り上げました。ペッパーフードサービスといえば、「ペッパーランチ」を思い浮かべますが、焼き肉やハンバーグなど12種類453店舗も展開しているそうです。
「いきなりステーキ」は、立ち食いで、前菜などはなく、まさにいきなりステーキから食べられるのが売りということで、グラム単位の量り売りで、オーダーを受けてから肉を切り、ささっと焼いてくれるのだとか。ステーキが出てくるまで約5分とシェフの技と、立ち食いにより高回転率になっているそうです。女性の割合も30%と意外にも高いそうです。沖縄にも、去年イオンモールライカムに沖縄初出店で「いきなりステーキ」ができました。
また、販売促進戦略として、優待キャンペーン、会員組織構築(マイレージカード)、健康志向には肉食という取組みなどを行い、顧客の確保をしているそうです。人材確保と人材育成では、リタイアしたベテラン人材を雇用し、技術力の向上をはかり、新卒採用では、まずは店長ですが、その後のキャリアプランも提示し、将来のビジョンが見えやすくもなっているようです。
ペッパーフードサービスは上場しているので、決算報告書が公表されていることから、決算報告書の見方も学びました。
文責:地域連携推進課 宜志富知恵子