【講義】6/7 第8回サービス産業基礎概論
2016.06.08
第8回サービス産業基礎概論 担当:宮里大八
外部講師:沖縄県文化観光スポーツ部観光政策課 主査 比嘉真之氏
今回は、沖縄県観光政策課の比嘉主査をお招きし、沖縄県における観光産業の現状と課題についてお話いただきました。
沖縄県が掲げる観光振興基本計画によると、
平成33年度までに、
(1)観光収入1兆円
(2)観光客一人当たり消費額10万円
(3)平均滞在日数5日
(4)人泊数4027万人泊(国内3152万人泊、外国空路875万人泊)
(5)入域観光客数1000万人(国内800万、外国200万)
となっており、それに向けて様々な取り組みを行っているということでした。
まず、月による観光客数の差が最大の時(8月)と最少の時(1月)では20万人あり、
観光業の収益や人材確保なども左右するため、平準化を図る施策として、春には家族旅や卒業旅行、秋には女子旅、冬にはシニアとターゲットを季節ごとに分け誘客を行ったそうです。今年度はそれを改良して、1年を通じてターゲット別に魅力を提供、「どんな季節でもみんなが楽しめる+自分のライフスタイルに合った旅探し」を提案しているとのことでした。
また、那覇空港は、羽田、伊丹につぐ29路線就航していることから、路線別に、季節に応じたプロモーションもしているそうです。
海外市場に向けては、旅行博への出展し海外のマーケットに直接働きかけたり、ドラマ・映画の誘致をしているということでした。日本でも、かつて、冬ソナ現象でロケ地ツアーが大盛況だったのは記憶に新しく、実際、韓国では、人気ドラマのロケ地ということで、昨年度来沖観光客が急増したという成果もでているとのことでした。個人的には、韓国ドラマが日本で放映されると、韓流ファンの女性たちがまたロケ地めぐりをするので、国内からの観光客も数年遅れで増えるのではないかと感じました。
「Be.Okinawa」について。
沖縄県では、グローバル観光ブランド「Be.Okinawa」を展開しています。
昨年度、世界15カ国17地域で実施した市場特性調査を踏まえ、「Be.Okinawa」というキーコピーとロゴを決定し、沖縄の人々や訪問者の温かい笑顔のイメージや、市場毎の特性に対応したサブコピーを組み合わせ、各種メディアを活用しながら発信することで、「沖縄スタイルへの憧れ」等を創出し、海外市場における沖縄観光のブランド化を推進しているそうです。
Be.Okinawaのプロモーション映像はこちらから
http://beokinawa-pr.jp/surprise/
http://beokinawa-pr.jp/secret/
沖縄観光の課題としては、
(1)年間を通した入域観光客数平準化
(2)観光客一人当たり消費額の増加
(3)ハード・ソフト両面の受入基盤の計画的整備
(4)航空路線、クルーズ路線等の安定確保及び拡大
があり、沖縄観光推進ロードマップを策定し取り組んでいくということでした。
グループディスカッションは、
「現在おおむね76000円程度の観光収入をあと10000円増やすにはどうしたらいいか」
というテーマで行い、
学生からは、
・お金を使っている国(中国やオーストラリア)をターゲットに、よりお金を使ってもらう
・滞在中のホテルを同じところにせず、北部と中南部と別々に宿泊すると割引サービスがあるという特典をつけ、連泊してもらう。
・外国人観光客は、「沖縄にくる」のではなく「日本にくる」という人もいるので、お土産物を沖縄のものだけでなく、日本全国のものを揃える。
・お土産の新商品開発を行う。ブランド化する。
・海は見るものではなく遊ぶ場所となるように、マリンスポーツなどのレジャー施設を増やす。
・アミューズメントパーク誘致。
・沖縄独自素材を使用したコスメをもっとPRする。
・沖縄独自のファッションブランドを作る。
・公共交通機関の充実、質の向上。
・大型プール施設を作りウォータースライダーを設置する。
・中部エリアの素通りを改善できるような施設をつくる。
などの意見がありました。
文責:地域連携推進課 宜志富知恵子