【講義】6/16 第9回宿泊サービス概論
2016.06.17
第9回宿泊サービス概論 担当:平野典男
外部講師:ハイアットリージェンシー那覇沖縄 総支配人 佐藤健人氏
今回は、ハイアットリージェンシー那覇沖縄の佐藤総支配人をお招きし、ホテルの経営方式やホテル戦略などについてお話いただきました。
ハイアットリージェンシー那覇沖縄は、KENグループのケン不動産リースが所有・経営・運営(直営方式)をしており、ケン不動産リースは、プレミアホテルグループとして、国内に21ホテル3,763室、海外に9ホテル4,030室を展開いる会社です。2020年までに40ホテル11,000室を目指しているということでした。
次に、ホテルの運営形態の違いについて、具体例を示しながら説明がありました。先週までに1度とりあげましたが、より理解が深まったと思います。
多くのホテルはマネジメント方式(所有・経営と運営が別)を採用しており、直営には自社ブランドとフランチャイズがあるということでした。
ホテル戦略として、チェーン戦略とエリア戦略(ドミナント戦略)があり、チェーン戦略は、例えばヒルトン(4000軒)、マリオット(4000軒)、シェラトン(1200軒)、インターコンチ(4500軒)、ハイアット(600軒)、 ニッコー(73軒)のように、全世界に同じブランドのホテルを展開することで顧客を増やし、ブランド価値を高める戦略とのことでした。
一方、エリア戦略は、1つの地域に多くホテルを持ち地域内のシェアを拡大する戦略で、より地域観光にも密接にかかわるものということでした。
通常は、地元資本の会社がこの戦略をとることが多く、ケン不動産リースのように地元資本以外の企業がエリア戦略を取ることは珍しいそうです。同社では、1つの地域に、異なるブランドの直営ホテルを複数展開しています。これは、フランチャイズの場合は、商圏保護のため、同じブランドのホテルは同じ地域には建てられないからだそうです。
エリア戦略の事例として、グアムの事例の説明があり、グアムでは、島内シェアが30%もあるということでした。宿泊客数を増やす場合、通常は他のホテルに泊まっている客を自社のホテルに誘致するのですが、30%のシェアをもっていると、何もしなくても3人に1人は自社ホテルに泊まるということになるため、他からどうやって自社ホテルに泊まってもらうかということではなく、グアムに来る観光客をどうやって増やすか、ということを考える必要があるそうです。そのための営業改善、食材改善、エンジニア改善、会員組織、エンターテイメント施策などについて説明がありました。まさに地域密着のビジネスとして成り立っていることが分かりました。
最後に、ホテルビジネスは、地域を活性化する、地域を変える力をもっており、地域創生、観光業界発展に貢献できる、夢があるビジネスだと熱く語られました。
佐藤総支配人には、7月にもハイアットリージェンシー那覇沖縄で、講義をしていた
だきます。
文責:地域連携推進課 宜志富知恵子