【講義】1/24 第14回物流サービス概論
2017.01.25
第14回 物流サービス概論 担当:知念 肇
今回の講義は、先週の復習も兼ね、沖縄県における海運業について取扱いました。
先週の講義で、ガントリークレーンについて勘違いをしている学生がいたということで、
実際に先生が、RORO船、クレーンが稼働しているところの動画を撮ってくださり、それを元に説明がありました。
コンテナの種類(20フィート、40フィート)とコンテナを運ぶトレーラーについて解説がありました。
RORO船で運ぶ場合、トレーラーごと移動するのかと思っていましたが、動画によると、積み込んだあとに、トレーラーヘッドだけ出てくることがあり、以下のような輸送方法があるということでした。
①法律上の規定により、輸出国・輸入国、さらにはRORO船上で異なったシャーシが使用される場合
この場合、コンテナを積み直す必要があるのだそうです。
②シャーシを輸出入国で共有する場合
動画でみたトレーラーヘッドだけ下りてくるのはこのパターンで、アジアで盛んということでした。この場合、相手国ではトレーラーヘッドだけがいて、シャーシにつなげて出ていくそうです。
③陸上輸送のドライバーが積み込み、そのまま乗船、相手国でもトレーラーを運転する場合
この場合、トレーラーはダブルナンバーでどちらの国でも運転可能になっているそうです。こちらもアジア(特に日韓間)で盛んということでした。
続いて、沖縄県の海運業者の動きについて、琉球海運と商船三井の提携により、那覇から香港までの輸送が2週間から4日になったというお話がありました。それまで、那覇から香港までは、大阪港に行き、コンテナ船に積みこんでから香港へ向かうという流れだったのが、この提携により、那覇から台湾の高雄に行き、そこから香港へ向かうことができるようになり、リードタイムだけでなく、輸送コストも減ったということでした。
結果、売上高が過去最高となり、大型貨物船を2隻新造する運びになったのだそうです。
それにより貨物量が増えることが見込まれ、うるま市に県内最大の物流センターを整備し、保税倉庫も計画されているということでした。
南西海運は、小回りの利くコンテナ船を新造し、台湾大手海運会社との業務提携により、
那覇-中国・台湾間の取引貨物量が、前年比3倍となったそうで、琉球海運、南西海運とも、内航海運業からアジアに目を向け、戦略転換したことで成功している県外では例をみない事例だということでした。
両社とも台湾の高雄を経由していますが、台湾の高雄は海運のハブとなっており、台湾市場と沖縄県の近海国際貿易の特徴について輸出・輸入それぞれについて説明がありました。
今後の課題として、
・情報のシェアが大切になる
・すべての産業において物流は基盤にあるのに、評価が低い
・日本にはCEOはあるがCLO(チーフ・ロジスティクス・オフィサー)がないので、物流の面では世界に遅れをとっている
・国内市場が小さくなっていくため、アジアに出ていかなければならない
・ホスピタリティも求められる
といったことがあげられるそうです。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子