【講義】5/29 第8回飲食ビジネス概論
2017.06.01
第8回 飲食ビジネス概論 担当:上地恵龍
外部講師:沖縄第一ホテル オーナー 渡辺克江氏
第8回は、沖縄第一ホテルオーナー 渡辺克江氏をお招きし、沖縄の地産地消の朝食についてお話いただきました。
沖縄第一ホテルは、薬膳の朝食を出しており、宿泊客だけでなく、朝食だけを食べにくるお客様もいる人気のホテルです。
オーナーの渡辺さんは、野菜ソムリエと国際中医薬膳師の資格をお持ちで、本日は、ホテルの朝食にも使っている島野菜の特徴と効用と薬膳についてとりあげていただきました。
薬膳は中国の中医学に基づいており、琉球王朝第17代国王の病を治すため、渡嘉敷通寛という主治医が中国の食医学を学びに行ったことから沖縄に伝わったそうです。のちにそれをまとめた『御膳本草』を著し、当時薬は高価で手に入りにくかったことから、食べ物で治していくという考えを、広く民間にも広め、医食同源という考え方が今も継続されているということでした。
島野菜は、県が28種類を指定しており、その特徴は、サンゴ礁が隆起した土壌、空気によどみがなく潮風が吹くということからミネラルがたっぷり含まれている。紫外線(本土の3~4倍)から自衛するため葉が厚く、色が濃くなるため、ファイトケミカル(機能性成分)が高い。という点があげられるそうです。
28種類の中から、今回はハンダマ、長命草、島人参、ゴーヤーについてお話がありました。ハンダマは水前寺菜や金時草とも言われ、カルシウム、アントシアニン(抗酸化作用)、ガンマアミノラクサン(血圧上昇をおさえる)が豊富。血の薬(チーグスイ)と言われており、薬膳的には肝の臓の不足を補うものだそうです。
長命草は、サクナ、牡丹防風とも言われ、ポリフェノール、ルチン(美肌効果)、イソサミジン(排尿障害改善)などの効果があり、咳止めの薬とも言われているそうです。防風なので風邪の予防に利くということでした。
島人参(チデークニー:黄色い大根の意)は、アフガニスタン原産でシルクロードを経由し伝わったもので、よく見る人参とは違い細長く、西洋人参(普通に売ってる人参)よりベータカロテンが多く含まれおり、動脈硬化、抵抗力を高める、ガン予防(特に肺がん)などの効果があるそうです。
ゴーヤーは和名をツルレイシといい、東インド原産で苦み成分であるモモルデシンが胃腸を整え、コレステロール低下、肝機能を高める、血糖値を下げる効果があり、ビタミンCもレモンの2~3倍と豊富だそうです。ゴーヤーのビタミンCは、なんと綿に多く含まれているそうで、ゴーヤーの綿は、脂肪燃焼の効果もあるということでした。
ゴーヤーといえば、あのイボイボが特徴的ですが、イボイボは水をためるためにあり、土からの水が少なくなると、ためてあるイボイボから水分を補給する仕組みだそうで、購入の際は、イボイボにハリがあるものがいいそうです。
各島野菜のレシピや、フルーツについても教わりました。
学生のみなさんは、単に、野菜を学ぶのではなく、これをどうやってビジネスとしているか、どうやって商品化しているか、ひいては、沖縄の資源をどうビジネスにするかということを考えてみてください。
文責:観光産業科学部 宜志富知恵子