【講義】5/17 第5回サービス産業基礎概論
2016.05.17
第5回サービス産業基礎概論 担当:宮里大八
外部講師:沖縄振興開発金融公庫 企画調査部調査課長 比嘉努氏
第5回は、沖縄振興開発金融公庫企画調査部調査課 比嘉課長をお招きして、
「沖縄経済ハンドブックから読み解く沖縄経済」について講義をしていただきました。
沖縄の経済を「地勢」「人口・雇用」「県民所得・産業構造」「産業トピックス」
「財政・金融」の側面から特徴をとらえ、解説いただきました。
各項目ごとのまとめは以下のとおりです。
地勢:
日本の辺境だがアジアの主要都市からは近く、インバウンド、高速物流がさかん。
長崎に次ぐ第2位の有人離島(39島)があり、狭い県土に米軍施設が全国の75%も存在。
人口・雇用:
自然増が圧倒的に多く、出生率もNo.1。
長寿の県と思われているが、実は老年人口割合は全国最下位で、年少人口割合が全国一の「若い県」である。
有効求人倍率は復帰後最高数値を更新中だが、全国では最下位クラス。
大卒3年以内離職率はなんと5割という課題も。
県民所得・産業構造:
県民所得は全国の7割程度で最下位。貯蓄水準は全国の4割弱。
観光収入は1割、基地関連は復帰時と比較すると1/3まで減少。
卸・小売業、宿泊・飲食サービス業の構成比が高い。
産業トピックス:
サトウキビ、パイナップルは衰退、マンゴーや花卉が増加。
製造業は食料・飲料(鮮度の関係)、窯業土石・金属・鉄鋼(輸送コストがかかるから)がメイン。
泡盛出荷量は10年間マイナス推移。泡盛製造所は48か所(一覧掲載あり)
入域観光客数は初の700万人台。近年は5人に1人が外国人観光客。
リゾートホテル分布は西海岸、特に恩納村に集中。(マップと客室数の記載あり)
那覇空港の国際物流ハブにより国際輸送量は、成田、関空、羽田に次ぐ4位。
財政・金融:
沖縄振興予算は近年大幅増。自主財源は全国の半分だが、一括交付金制度が効果的。
金利は低金利時代が続く。鹿児島銀行が進出し金利競争加速。地銀は資金量・融資量残高ともに増加。
文責:地域連携推進課 宜志富知恵子