【講義】6/9 第8回宿泊サービス概論
2016.06.13
第8回宿泊サービス概論 担当:平野典男
今回は、まず初めに中間レポートについて説明がありました。7/7までに平野先生宛にメール添付で送信です。詳細は文末に記載。
今回のテーマは宿泊サービス経営の特性の続きで、9つの特徴を取り上げました。
特徴①は復習で、運営システムについてでしたが、運営受委託方式について、詳しい説明がありました。
ホテル専業会社は、総支配人・幹部スタッフ派遣、ノウハウ(マニュアル)提供、広告、予約システムの提供、ホテルブランド提供を行い、事業主は、委託料(総収入リンクの手数料+GOPリンクの手数料)と総支配人・幹部スタッフの人件費負担をするというもので、世界のホテルの40~50%はこの方式なのだそうです。
フランチャイズ方式というのもあり、こちらはコンビニ同様に所有・経営・運営は事業主が行い、ホテル専業会社は、商標権使用許諾と経営支援だけ行うものだそうで、次週、外部講師にお招きしている、ハイアットリージェンシー那覇沖縄などはこの方式ということでした。
特徴② 資本の固定度が高い→投資額の80%は土地・建物などの固定資産となり、初期に多額の投資が必要だが、担保能力や減価償却能力が高く、節税効果も高い。
特徴③ 資本回転率が低い→投資回収期間が長期化する。他の業種と比較しても、不動産業と飲食宿泊業は資本回転率が低い。
特徴④ 装置産業である→一度作ったらなかなか手を加えられないので、最初の商品化計画が非常に重要になる。
特徴⑤ 立地条件に左右される→大立地条件(県単位レベルでの人口、都市タイプ、発展性、交通機関、消費水準など)と、小立地条件(駅前、ビジネス街、空港、景勝地など)を考慮する必要があり、立地が経営を左右する。
特徴⑥ 労働集約型→従業員がたくさんいるということ。客室数以上に従業員がいて、人件費はだいたい30%くらい。従業員のシフトは1ヶ月単位の変形時間労働制をとっており、組み方が大きく経営に影響する。
特徴⑦ 業況→同時消費型で在庫ができない。設備・商品の経済陳腐化が早い。
特徴⑧ 損益→稼働率と損益の相関が強い。GOPが運営管理指標に用いられる。ホテル業界では、ワールドワイドな統一会計、ユニホームシステムがある。
※GOP=Gross Operating Profit
特徴⑨ 財務→資本回転率が低いので、借入金の返済が長期化(10年以上)する。自己資本装備率を高くすることが望ましい。
<中間レポート>
1. 宿泊ビジネスに、レベニューマネジメントの考え方が導入された理由を、サービスの特性と関連づけて説明しなさい。
2. 縮小する婚礼マーケットの中でホテルが競争に勝ち抜くためには、どのような施策が必要と考えられるか、自身の考えを述べなさい。
3. メニュープランニングにおいては、まず現状分析から始める必要があるが、その際にどのような分析手法が使われているか説明しなさい。
以上のうち1つを選択。ワードA4用紙を縦に横書き1200字以上。
第三者の文章を引用する場合は、必ず引用文献(インターネットの場合はhttp:/)を示すこと。
<次週のお知らせ>
ハイアットリージェンシー那覇沖縄 総支配人 佐藤様をお呼びし、プレミアホテルグループの沖縄展開戦略について講話いただきます。
文責:地域連携推進課 宜志富知恵子